心のひと …   ~ 世紀末のばら ~




あの日から 
私の心の時計は止まったまま

気付くのが遅すぎたの 
あなたの愛に あなたを愛している自分に
あまりに静かに あまりに優しく
あなたが私のそばにいたから 
私はその愛に気づくことができなかった

レイ・・・
もう一度 出会うことができるなら
その時まで 私を待っていてくれる?
こんな私を もう一度 受け止めてくれる?
たとえそれがどんな場所であったとしても・・・







闘いを捨てたマミヤは
レイの眠る村で静かに暮らしていた
しかし、平和だった村は再び野盗に襲われ
マミヤは、村を守るために立ち上がる




「ごめんなさい・・・レイ・・・ 
 私はまた戦います。
 あなたの眠るこの村を守るために・・・」




マミヤはレイの墓に封印していた武器を手に取ると
毅然として野盗に立ち向かった




「レイ・・・ 私に力をかして!」




その時、野盗の銃口が幼い子供に向けられ
それに気付いたマミヤが子供を庇おうと駆け寄る
次の瞬間、一発の銃声が鳴り響いた




「マ、マミヤさん!!!」




リンの悲痛な叫びが木霊する




「マミヤさん!しっかりして!!」




銃弾はマミヤの胸を貫いていた




「リンちゃん・・・」




「どうして・・・ 
 どうして こんな目に合わなきゃならないの・・・」




泣きじゃくるリン




「リンちゃん・・・
 あの子は・・・ あの子に怪我はなかった・・・?」




「う、うん・・・」



「そう・・・ よか・・・った・・・」 




「マミヤさん! 死んじゃいや!」




「レイが・・・ 待っているの・・・
 どうか・・・ 私をレイと同じ場所へ・・・」






― レイ…
  苦しくはなかった?
  死は安らかにやってきた?
  あなたが耐えた苦しみなら 私も耐えてみせるわ…
  お願い 手をかして… 私が臆病者にならないように… ――






「レイ!お願い!! 
 マミヤさんを 連れていかないで!」




「泣かないで リンちゃん・・・ 
 私は今こんなにも安らかよ・・・」






― レイ… 私は今日まで女として精一杯生きたわ…
  だからもう あなたの所へいってもいいわよね… ―





静かに目を閉じるマミヤ
その表情は穏やかで 微笑んでいるかのようだった。









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 *あとがき*

 以前ブログにUPしていた「ベルばら」妄想です。
 マミヤは死兆星を見ていたので、レイの後を追う設定もあるのでは?という妄想から
 アンドレの後を追うように死んでいったオスカルの最期のセリフをレイマミ変換してみました。(不快に思われたらすみません!)

 実は、「ベルサイユのばら」の原作をこの年になって初めて読んだんですが、深い愛の物語に感動したと同時に、
 オスカルとアンドレが結ばれていたことに衝撃を受けました。(長年、アンドレの片想いと思い込んでいたので…)
 アンドレの一途な愛に気付き、最後に女としての幸せを求めたオスカル…。
 レイとマミヤは結ばれることはなかったかもしれないけれど、二人の愛と似ているような気がして…。
 

 せめて・・・アニメのあのシーンの後、

 二人が結ばれていたと 信じている女が一人くらいいてもいい…




 
 続編はコチラ


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