最期の夜 ~ I die for only you ~
輔星・・・
北斗七星の横でひっそりと輝く小さな星。
私は、まだその星の持つ本当の意味を知らずにいた。
そして・・・
彼もまた同じ星を見ていたことも・・・
レイの命の期限は刻々と迫っていた。
― 何であんな事を言ってしまったのだろう・・・ ―
マミヤは後悔していた。
自分は、女としての感情を捨てた・・・
捨てたつもりだった・・・
でも・・・
こんな自分を心から愛し
残り僅かな命を懸けて闘おうとしている人がいる。
気が付けば、彼はいつもそばにいてくれた。
弟を失った時・・・
報われぬ愛に心を痛めた時・・・
初めて出会った時の出来事も、
女である事を気付かせる為の彼の優しさ・・・
あの時の優しい眼差しを、今も忘れてはいない。
なのに・・・
彼の愛を、素直に受け入れる事が出来なかった。
愛される事が・・・ 傷つくのが怖かったから・・・。
女であることを捨てたあの日から、
愛される事を忘れてしまっていたから。
でも・・・
いつしか彼のことばかり考えている自分がいた。
忘れかけていたこの気持ち・・・
― 人を愛するということ ―
今こそ 自分の気持ちに正直にならなければ。
マミヤはレイの元へと向かった。