玲瓏 ―(心は澄み切り曇りのない事)




彼女に

死兆星が見えると 奴は告げた

真実かと彼女に問えば

俯き目を伏せ何も答えようとしない

それが肯定と悟る

…ああ

マミヤ

どこまでも

哀しい女

戦場に身を置き

幾度も悲しみ

傷つきながら

耐えてきたお前に

天はこんな仕打ちをするのか

友の事、

家族の事

南斗の事

今はもう何の雑念も無い

ただ、

ひとつ

思うのはお前だけ

遥か頭上に輝く死兆星が

流れゆくその瞬間まで

幸福を掴んでくれるように

その礎になれるのならば

この命捧ぐはお前

お前だけに



俺は――




おわり



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